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日本会議ってそもそもなんなの?『日本会議と神社本庁』

こんにちは、かえるです。

私が政治に興味を持ち始めるようになってから、頻繁に『日本会議』というワードを目にすることが多くなりました。メンバーには安倍前総理をはじめとして、多くの議員が名を連ねており、2016年4月23日時点では、衆参合わせて280名が所属しておりました。しかも、自民党だけではなく、当時の民進党(15名)やおおさか維新(10名)無所属(7名)も名を連ねております。

私のイメージとしては全く良いところはなく、なんだかやばそうな集団だろうなって認識だったのですが、更に理解を深めるために、今回『日本会議と神社本庁』という本を読んで勉強してみることにしました。

 

今回読んだ本は聞きなれない固有名詞が多くて、非常に読み進めるのが大変でしたし、そもそも私の読解が正しいかも微妙なところではありますが、感想を交えて書いていきたいと思います。初心者でも分かるように書きたいという思いがあり、また私が興味を持った部分をピックアップしているので、だいぶ端折っている部分がございますが、ご容赦願います。

Contents

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日本会議のそもそもの成り立ちは?

改憲ではなく壊憲を目指す

まずこの本を読み進めてみて『はじめに』の部分で安倍政権と日本会議が目指しているのは「改憲」ではなく「壊憲」ですという一文が出てきます。いきなり核論来たー!!この時点でヤバさ満載ですね!まあなんとなく分かってはいましたが、ここまではっきり書かれていると、私の政治的考えとは全く異なるものなので、今まで感覚的にでも受け入れられなかった理由が分かりました。憲法は権力を縛るものであって国民を縛るものではないというのが私の考え方です。それに対して日本会議が壊憲のざっくりした内容とは…以下本文より引用『現行憲法を廃棄して明治憲法復活をもくろむ。つまり、主権在民、平和主義、基本的人権の尊重をすべて根こそぎにしようというのです』という内容です。普通にあり得ないですし、恐怖すら感じますね。

私個人としては何がなんでも改憲反対というわけではありません。素晴らしい憲法だとは思っておりますが、作られてからだいぶ時間も経っていますし、時代にそぐわない部分があれば改訂しても良いのではないかと思っております。しかしながら、自民党政権下での改憲については強く反対です。

日本会議の誕生

日本会議は『日本を守る会』と『日本を守る国民会議』が一本化して誕生しました。『日本を守る会』とは1974年に神社本庁や生長の家をはじめとする右派宗教団体を中心として設立。『日本を守る国民会議』は1981年に『元号法制化実現国民会議』が改組して発足。『元号法制化実現国民会議』は系列を辿ると神社本庁に行き着きます。

私自身は無宗教ですので、宗教が絡むだけで胡散臭さを感じずにはいられません。大衆を誘導するには宗教的な集まりって強いだろうなとは思いますが、洗脳的なものを感じるので私自身は一切関わりを持つようなことがないようにしております。ただしこれは私の考え方ですので、宗教に属する人を否定・批判するつもりは毛頭ありません。自分が良ければそれはそれで良いけど、他人は巻き込まないでというスタンスです。

国家神道

先にも書いたように無宗教の私にとっては「国家神道」とか言われる時点で拒否感満載です。

以下本文より引用

①天皇が「皇祖皇宗」の「神」によって授けられた国を継承してきたという「国家観」と、②「天皇絶対主義」という、神道の長い歴史では異質な性格を有する国家神道を日本の「伝統」として固定観念化し、それを「発露」することが「道義国家建設」であるとする使命感。

感じるところは人それぞれ違うと思いますが、私にとっては恐怖でしかありません。神話とかを読むのは別に否定しませんし、物語として読むなら私も楽しいかなと感じますが、それを堂々をここまで主張してしまうのはどうかと思います。もちろん世界各国や過去を振り返ると宗教が原因で戦争が起きたりしているので、全く軽視する気はないですが、そこまで争いの種となるなら宗教のあり方を見直すべきだとは思います。

天皇崇拝の神道

日本会議では「伝統」をあらゆる価値の中心と見做している節があります。「皇室と国民の強い絆は千古の昔から変わることはありません」と主張し、これを伝統としています。しかしながらそういった風潮が強くなったのは明治からであって、歴史的には非常に浅いといえます。むしろ「国家神道」は神道の歴史から言えば特殊なことなんですね。

自殺者まで出した日の丸・君が代の法制化

本を読み進めていく中で、見逃せない項目がありました。それが日本会議が結成直後に存在感を示したとされるもので日の丸・君が代の法制化です。

これに関しては人の死が関連しており、省略できない部分だと思ったので、取り上げさせてもらいます。

舞台は広島県で、「日の丸・君が代」の実施率が低いということが問題となり、産経新聞が火種を作って起きたものです。以下本文引用です。

広島県教育長と、広島県高教組が確認した文書で「『君が代』については歌詞が主権在民という憲法になじまないという見解もあり、身分差別につながるおそれもあり、国民の十分なコンセンサスが得られていない状況にある」とし、「『日の丸・君が代』については各学校が主体的に創造するもの」と確認されている。

学校側としては前述のような解釈であったため、実施状況は低かったわけであったが、それを問題視し産経新聞が「偏向教育」と批判。それを機に恐怖政治のような処分(現地調査・是正指導・職務命令など)が繰り広げられて「日の丸・君が代」が押しつけられました。そんな中、某広島県の県立高校の校長が自殺に追い込まれました。この校長は「君が代」は身分差別助長につながると考え、やりたくないと意思表示をしていました。そして県教委から何度も実施の電話を受け、更には自宅にまで職員を派遣すると脅しをかけられ、結果として職員が自宅に訪れた直後に自殺しています。

校長は自殺してまで拒否の姿勢を見せていたわけですが、この自殺を利用して当時の官房長官の野中広務が押し切って「国旗・国歌法」が成立してしまいました。人の死を利用してまで推し進めるとは凄まじい非道ぶりですね。

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対米従属という矛盾

この本を読む前から私は「対米従属」というものに非常に違和感を感じていました。日本会議は右派の結集体で明治憲法復活を目論んでいるのに、対米従属に対してなぜ異議を唱えないのかと。そう考えると非常に大きな矛盾を抱えているというのが日本会議という組織だと思います。

現状、完全に日本側に不利な日米安保条約およびそれに付随する日米地位協定や首都圏上空の管制権を米国に握られたままですね。本当に愛国を掲げている団体であるのであれば、ここをまず変えてべく行動するのではないでしょうか。単純に「反米思考」と見做されて潰されるのを恐れているだけなのではないだろうか。実際に日本独自路線で行こうとして潰された政治家はいるが、もしそれを恐れているのであれば、最初から愛国なんてものを掲げるべきではないのではないでしょうか。

最後に…

最後に、今回参考に読んだ『日本会議と神社本庁』という本は馴染みのない固有名詞が多かったり、私自身の前提の知識が乏しいので、あくまで自分なりに解釈したものです。ですので、認識違いがあったりするのはご容赦くださいますようお願い致します。もっと本気で書いたら文字数が半端ないことになり、初心者向けに書いているのに逆に読んでくれる人が少なくなってしまうかなと思い、だいぶ割愛させて頂いてます。また、日本会議について今回は書きましたので、日本会議ができる前進の団体についてはあまり書いておりませんが、それらの前進団体についても今回読んだ本には書かれております。理解を更に深めるためにはそういったところの知識も不可欠だと感じます。よってご自身で一度読んでみられることをオススメ致します。

今回参考に読ませていただいた本です。政治系の話は各々主義主張が異なっており、読み手によっては解釈が十人十色になると思います。今回の記事で興味が出た方はぜひ読んでみてください。

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